胎児 先天性異常 原因 葉酸

先天性異常のメカニズムとは?

 

妊娠9週目以降を胎児期と呼びます。この時期は臓器・器官のタネ(器官原基)の中で、組織の発生や機能の分化が進みます。この時期に発生する異常を胎児病と呼びます。さまざまな器官の大奇形を伴う胎芽病と異なり、胎児病は小奇形や機能障害が主となります。
●先天奇形発生のメカニズム

 

 

先天奇形は発生する経緯によって、以下の通り奇形、変形、破壊のいずれかに分類されます。奇形の診断、治療や、今後の遺伝相談に役立てることができるため、分類は有効であるとされています。

 

奇形(狭義)(malformation)は単一または複数の遺伝子が原因となり、正常な器官形成が阻害され発生する形態の異常のことを指します。この場合、外的要因(母体や胎内環境など)が関与している可能性はほとんどありません。単一の遺伝子が変異し生じる形態異常については、ほとんどがこの奇形(狭義)に該当します。

 

胎児が物理的に圧力を受け続けた結果生じる形態異常を、変形(deformation)と言います。羊水過多や羊水過少、子宮形態異常などにより、長期に渡り胎児が物理的に圧迫されるような場合、この変形をきたすことがあります。

 

破壊(disruption)は、もともと正常に発育していたにも関わらず、外的要因により器官や体の一部が破壊され生じる形態の異常のことを指します。外的要因には、母体の栄養不全や感染症、血流の異常などが挙げられます。

 

上記の他には異形成や形成不全(dysplasia)という奇形発生のメカニズムもあります。これは細胞分裂を繰り返して組織や形態が形成されるまでの過程に発生する異常ですが、上記3種類との区別や分類は明確に定義されていないのが現状です。

 

●多発奇形

 

 

胎児の先天奇形は、単一の器官ではなく、複数の器官に発生することは珍しくありません。これを多発奇形と呼びます。上記で述べたような奇形の分類や発生した時期などによって多発奇形の現れ方は異なります。つまり、どのような多発奇形なのかを調べることにより、その原因を特定することができるのです。奇形の起きる経緯により、連鎖、症候群、連合に分類することができます。

 

連鎖(sequence)は一つの奇形か、機械的な要因による変化によってもたらされた多発奇形のことを指します。母体の腎機能障害などが原因によって羊水過少が起きた場合、胎児は子宮内部で圧迫されます。それによって顔面や手足の形態不全や肺の発育不全など、複数の部位にわたって奇形が発生します。このケースは変形により起きた多発奇形の連鎖ですが、狭義の奇形や破壊によっても連鎖は起こります。

 

奇形症候群(syndrome)は一つの要因によって連鎖や奇形が複数生じ、かつそれぞれの連鎖や奇形が独立した別の部位に多発的にみられる場合のことを指します。例えば13トリソミーの場合、小頭症で眼球が小さくなるほか、指が他の指に重なったり多指になるなど、それぞれ独立した部位に13トリソミーによる奇形が多発します。

 

奇形症候群とは異なり、奇形が多発するものの、原因が同一ではない場合があります。この場合は症候群とは定義されませんが、同時に発生する傾向がよくみられる奇形の組み合わせのことを連合(association)と言います。現在の医療では原因や因果関係が特定されないものの、患者の症例を統計すると合併しやすいとされる奇形の組み合わせがあります。例えば椎骨異常(vertebral defects)、鎖肛(anal artesia)、気管食道痺(tracheoesophageal fistula)、橈骨・腎の異形成(radial or renal defects)などの奇形は合併する傾向が強いといわれています。

 

その上で赤ちゃんの産み分けの知識は必須になります。